
病院事業管理者 中田 精三
市立伊丹病院は伊丹市を中心にした阪神北医療圏の患者様のために急性期病院として対応しており、特に入院患者様に対して十分な最新医療を行えるように体制を整えてきました。そのため初診外来患者様は地域の「かかりつけ医」の先生方からの紹介患者様に特化していく方針であり、診療科の一部ではすでにそのように移行させていただいております。しかし、救急医療につきましてはこれまでどおりの体制で臨んでおり、救急車にて搬送される患者様に対しましては、可能であれば受け入れるように努力させていただいております。
小児医療につきましては「阪神北広域こども急病センター」と連携し、更に阪神南・阪神北相互支援体制の維持に努めており、夜間の小児救急患者様の入院受け入れについても、月曜と木曜は毎週、 水曜、土曜及び日曜日には月の当番日に対応させていただいております。
現在は医療の変革期です。インフォームドコンセント、セカンドオピニオン、医療従事者の役割分担、チーム医療、医学教育、卒後教育(新研修制度)、急速な医療技術の進歩、DPCの導入、介護保険制度、医療費の抑制などの問題について継続して検討されており、種々の意見が出されております。特に、数年前には総務省が「公立病院の改革ガイドライン」をだし、赤字の続いている公立病院の改革方針を改革プランとして県に提出するよう進めました。これに対して当院も一昨年度末には、経営の効率化を基本にした病院改革プランを作成して、兵庫県に提出しております。経済状況の厳しい状況から、また国や地方の財政が益々厳しいものになっており、残念ながら当院も赤字が続いております。
病院事業管理者の立場としましては、安定した病院経営が求められており、できれば今年度には財政的には黒字になるよう努力していく所存です。しかし、個人的な考えとして、医療・福祉、教育、環境については公共投資をするべきであって、特に公定価格制度になっている医療に対しては、株式会社のように採算性を求めるのは間違っていると考えております。
病院経営をする上では、まずビジョン(構想)を立てて、アクション(行動)を行い、そのアカウンタビリティー(説明責任)を明らかにして、業務遂行と継続した改善を行っていく必要があると考えております。更に、市立伊丹病院を伊丹市の中核病院として位置づけて急性期医療に特化し、病診連携を通じて地域完結型医療を行いたいと考えております。
人的資源として、現状では研修医を含めた医師数が87名となっておりますが、関係する4大学には医師の派遣を継続してお願いしております。看護師や他の職種の方の数から看護体制7:1を維持できており、昨年度からはDPCにもスムースに移行できております。伊丹市では後送病院が十分でない状況ですが、医師会の先生方や行政の援助を得て、健康増進、病気の予防、急性期から終末医療までの医療に対し、地域に必要な医療体制として安定的に提供できるシステムとして機能するよう努力してまいります。
しかしながら、これらは医師・看護師・コメディカルなど職員全員が一体となって遂行しなければなりません。「安全で、質の高い医療を、効率よく」との考えを基にして、診療ではチーム医療を心懸け、共に協力し合って地域医療の向上に向かって病院運営を行っていきたいと考えておりますので、市民や医師会の先生を含め関係者の皆様の暖かいご協力とご理解を宜しくお願い申し上げます。

院長 平塚 正弘
市立伊丹病院のホームページをご覧いただきありがとうございます。当院は昭和32年9月に市のほぼ中央部に位置する春日丘に開院し、数次の増改築の後、昭和58年5月、南に国道171号線、東に関西屈指の渡り鳥の飛来地である昆陽池という交通利便と自然環境に恵まれた現在地に移転しました。
「患者さんの立場に立った医療、質の高い医療の提供」を理念にかかげ、地域の中核病院として急性期医療を担っています。高度の医療技術や設備を擁し、専門医療体制の充実を図ることは勿論ですが、単に病気を診るのではなく、疾病を抱えた人を診ていることを常に念頭に置くことが重要と思っています。その目的を達成するためにも、医師、看護師、薬剤師、技師、MSWその他多くの職種からなるチーム医療は必要欠くべからざる条件と考え、チーム医療の充実とその人材育成に努めています。
がん対策では、兵庫県保健医療計画において当院は専門的ながん診療の機能を有する医療機関に選定されています。胃がん、大腸がん、乳がん、血液がんなど、多くのがん種で専門的医療を提供してきましたが、平成22年4月には、新たに呼吸器外科専門医を迎え、肺がんの外科治療において、体にやさしい低侵襲な手術を行っています。
医療のニーズが多様化し、変革が求められる時代です。地域住民の皆様から信頼され、質の高い急性期医療及び専門医療を提供する病院を目指して、今後も職員一丸となって邁進してまいりますので、ご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。