呼吸器外科

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主なスタッフ
医師名 役職 学会専門医・認定医
奥村 好邦 科主任部長
兼心臓血管外科主任部長
日本外科学会【専門医】
日本呼吸器外科学会【専門医】
日本がん治療認定医機構【暫定教育医】【がん治療認定医】
肺がんCT検診認定機構【肺がんCT検診認定医】
日本医師会【認定産業医】
日本胸部外科学会【正会員】
国際肺癌学会(IASLC)【Member】
TheSocietyofThoracicSurgeons【Internationalmember】
業績参照(2010年~2011年)(PDF)
兵庫医科大学非常勤講師
黒田 鮎美 医長 日本外科学会【専門医】
日本呼吸器外科学会会員

特色

 2010年4月の開設からはや10年、呼吸器疾患の手術治療を担当する科です。
主な疾患は、肺癌転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍悪性胸膜中皮腫、気胸、膿胸などで手術総数は1500例を超え、肺癌だけでも450例に達しました。
 スタッフは2020年度からは主任部長で呼吸器外科専門医2名ですが、スタッフ、専攻医で9名と充実した呼吸器内科や、定位放射線治療なども可能な放射線科、がん化学療法看護認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、理学療法士を含めた呼吸器診療チームとして、患者の立場に立った 「自分や、自分の家族 が受けたい医療」を提供していきたいと考えています。

診療内容

手術の低侵襲化をめざして:体に優しい手術

肺癌などの手術方法として、開胸手術と胸腔鏡手術(Video Assist Thoracic Surgery :VATS)、ロボット支援下手術(Robot Assist Thoracic Surgery :RATS)、単孔式手術(Uniport-VATS)があります。

開胸手術

肋骨に沿って15~30㎝ほど皮膚を切り肋骨を広げて胸の中にアプローチ、腫瘍に侵された肺を切除する方法で、筋肉のダメージと術後疼痛が大きく、麻酔も全身麻酔と疼痛管理のための硬膜外麻酔などの併用が必要です。今でも肋骨や横隔膜・大血管などに浸潤した比較的進行した肺癌での肋骨合併切除・胸壁再建などの場合に使用しています。

胸腔鏡手術(以下VATS)

胸腔鏡下手術(内視鏡手術)

1990年頃から導入され、2000年に肺癌に対する保険適用を得てから約20年、いまや国内では呼吸器外科の約8割の手術で使用されています。
VATSは、開胸せずに胸に10~20mm程度の穴を数か所あけ、10mmの胸腔鏡と呼ばれるカメラを用いて胸の中を液晶画面に写し出し、画面を見ながら専用の器具を使って穴から手術操作を行います。当科では摘出する肺を取り出すための小切開(4~7cm:腫瘍の大きさに応じて)とカメラ孔(1.5cm)だけで、2~3時間でおわるハイブリッド胸腔鏡手術(Hybrid-VATS)を主に行っています。

小開胸からの操作

おもに早期の肺癌症例に適応され、肋骨を切除せず傷が小さいため手術時間も短縮、術後の痛みも少なく、入院期間も短くなり、硬膜外麻酔は併用しません。さらに、1つの穴だけを用いて手術を進める単孔式胸腔鏡手術(Uniport-VATS)も症例を選んで行っています。

ロボット支援下手術

さらに侵襲の少ない、かつ安全性の高い手術を行うために、兵庫県で20番目の施設として手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しました。手術はロボットではなく医師が行います。VATSと同じく胸にあけた4か所の穴から挿入されたロボットアームを3次元モニター視野のもと、医師の手と完璧に連動・遠隔操作します。ロボットアームにしかできない動き(関節の360度回転など)が加わることで、2次元モニターのVATSでは困難であった操作が可能になりました。2018年の保険適用をさかいに、日本での手術支援ロボット「ダヴィンチ」による呼吸器外科手術は急速に増加しており、2020年度は約4000件(肺癌手術総数は約44000件)に達し、コスト的には高い手術ですが、将来的にはVATSにとって代わる存在となる可能性があります。なお、患者さんの入院治療費はVATSと同じです。

手術支援ロボット daVinci

すりガラス様陰影(GGO)

手術前と変わらないQuality of Lifeを実感、維持できるように、高齢の患者さんや、2cm以下の淡いすりガラス様病変(GGO)症例などにおいては、切除後の肺機能をできるだけ温存するために、肺葉切除術から肺区域切除術へ、HybridVATSから完全VATS、単孔式(uniport-VATS)へと、より高度な専門性の高い縮小手術化をすすめています。また、肋骨浸潤やリンパ節転移などを含む進行癌、pancoast型肺癌などの拡大手術を行う際にも、可能な限り機能を温存しつつも安全/確実を第一に、術前には抗癌剤・放射線併用治療を施行するなど、少しでも再発の可能性をなくす努力を行っています。

悪性胸膜中皮腫に対しては、兵庫医科大学呼吸器外科と協力して、術前の抗癌剤治療から、胸膜肺全摘出術(EPP)や胸膜切除肺剥皮術(PD)、術後放射線治療に到るまで、綿密にスケジュールを組んで根治を追求した治療を行っています。

治療実績

2019年度の実績は全身麻酔手術135例。
肺癌51例(男性30例、女性21例)。
このうち区域切除は5例、気管支形成1例、気管支・肺動脈同時形成が1例あります。
気胸24例,転移性肺腫瘍11例(大腸癌由来7例,泌尿器癌由来2例),急性膿胸7例,縦隔腫瘍7例,その他・良性35例です。

地域医療機関の先生方へ

 2018年に日本全国で肺がんと診断されたのは122,825例(人)です。国内での手術は2018年度で約44,000件と増加していますが、手術可能症例は4割にも達していません。
 先生方との地域医療連携による早期発見、早期治療が、治療の第一歩を決定いたします。
 火曜全日・木曜午後・金曜午後の専門外来以外でも診察させていただきますので、肺癌を始め呼吸器外科の疾患を疑われましたら、お気軽に地域医療室にまずはご一報ください。