泌尿器科
医師名 | 役職 | 学会専門医・認定医 |
---|---|---|
岩田 裕之 | 科主任部長 兼人工透析室部長 |
日本泌尿器科学会[専門医][指導医] 日本透析医学会[専門医][指導医] 日本泌尿器内視鏡学会[泌尿器腹腔鏡技術認定医] 日本内視鏡外科学会[技術認定医(泌尿器腹腔鏡)] 大阪市立大学医学部非常勤講師 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了 |
仁田 有次郎 | 科部長 | 日本泌尿器科学会[専門医][指導医] 日本透析医学会[専門医] 日本泌尿器内視鏡学会[泌尿器腹腔鏡技術認定医] 日本内視鏡外科学会[技術認定医(泌尿器腹腔鏡)] 日本がん治療認定医機構[がん治療認定医] 日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会[腹腔鏡下小切開手術施設基準医] ロボット支援手術 Certificate 取得(術者) がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了 |
井口 圭子 | 医長 | 日本泌尿器学会[専門医] 日本泌尿器科内視鏡学会会員 日本泌尿器科学会泌尿器科[専門医] 日本泌尿器科学会泌尿器腹腔鏡技術[認定医] 研修会修了ロボット支援手術 Certificate 取得(術者) 日本結石症学会会員 日本性機能学会会員 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了 |
南 景太 | 医員 | 日本泌尿器科学会会員 |
小杉 悠貴 | 専攻医 | 日本泌尿器科学会会員 |
特色
2021 年 5 月より当院に内視鏡下手術支援ロボット Intuitive Surgical 社製「ダヴィンチ Xi」が導入されました。従来泌尿器科領域では前立腺全摘除術、膀胱全摘除術、腎部分切除術、腎盂形成術、仙骨膣固定術が保険適用となっています。前立腺全摘除術からロボット手術を開始し、2025 年 5 月現在までに約 140 例の手術を全例トラブルを起こすことなく施行しております。また 2021 年 10 月より膀胱全摘除術、腎部分切除術へと適用を広げ手術を行っています。ロボット手術導入により一層低侵襲で安全な手術が可能となりました。さらに 2022 年 4 月より腎摘除術、腎尿管全摘除術も保険適用となり、従来腹腔鏡で行ってきた泌尿器科悪性疾患のほとんどの手術をロボット手術で行うことができるようになりました。
また当院泌尿器科は常勤医師 4 名、専攻医 1 名の 5 人で診療を行っています。ロボット手術だけでなく従来の腹腔鏡手術も並行して行っており、現在 3 名の泌尿器腹腔鏡技術認定医が腹腔鏡手術に対応しています。
また当科は一般泌尿器科領域に加え腎不全に対し血液透析治療を行っています。さらに潰瘍性大腸炎に対して顆粒球吸着療法などの特殊な血液浄化も行っています。
診療内容
悪性疾患
< 腎がん>
大部分の症例が腹腔鏡下による手術で治療を行い、現在開腹手術はほとんど行なっていません。現在は可能な限りロボット支援下腎部分切除を行い、腎機能の温存に努めるとともに、さらなる低侵襲治療を目指しています。
< 腎盂、尿管がん>
殆どの症例でロボット支援下の手術を施行しています。腎盂、尿管がんは膀胱も一部切除を行う必要があり、以前は下腹部に切開を加えた術式でしたが、症例によっては膀胱部分切除まですべてロボット支援下で行う術式を行っています。
< 膀胱がん>
筋層浸潤のない、いわゆる表在性の膀胱がんに対しては経尿道的に切除を行い、病理結果によっては術後膀胱内にBCG などの注入療法を行いできるだけ膀胱温存に努めています。しかしながら筋層浸潤があり膀胱温存できない腫瘍に対しては膀胱全摘術を行います。最近は殆どの症例で膀胱全摘除術もロボット支援下手術で対応しております。尿路変向に関しては皮膚瘻、回腸導管、新膀胱造設の方法の中から患者様に最適と思われる方法を選択します。
< 前立腺がん>
PSA 高値である場合1 泊2日で前立腺生検を施行しています。がんが見つかればロボット支援下前立腺全摘除術による手術を行っていますが、前立腺がんの治療は多岐にわたっており、ほかに放射線、ホルモン治療などあり、患者様の年齢、ADL、希望などに応じてこれらの中から治療方法を選択していきます。
< 尿路結石>
尿路結石に対してはESWL(体外衝撃波結石破砕術)、TUL(経尿道的尿管結石破砕術)を行っています。特にTUL に関しては軟性尿管鏡、レーザー使用が可能な当科では積極的に腎、尿管結石に対して行い良好な成績を上げています。
< 前立腺肥大>
排尿困難、頻尿は前立腺肥大症の代表的な症状です。これに対しまずは薬物治療を行います。それでも改善しない場合は外科的治療を選択します。従来外科的治療は TUR-P(経尿道的前立腺切除術)を行ってきましたが、2021 年より当科ではBoston Scientific 社の GreenLight XPS™ を導入しました。これにより PVP(光選択的前立腺レーザー蒸散術)による手術が可能となりました。従来の術式では輸血(自己血)がかなりの頻度で必要となっていましたが、現在この手術を行うことにより輸血することはなくなりました。術後の血尿の程度も軽いためバルン抜去までの期間が短くなり、結果入院期間の短縮にもつながっています。また脳梗塞、心筋梗塞の既往で抗血小板剤の内服が必須な方にも休薬することなく手術が可能となり、オペ適応の幅が広がりました。
前立腺肥大症レーザー治療(PVP)

2021年7月、前立腺肥大症に対する最新のレーザー治療機器(GreenLight XPS)を導入しました。
PVP手術は、内視鏡を用いてグリーンライトレーザーと呼ばれる高出力レーザーを照射し、尿道を圧迫している前立腺の肥大部分を蒸散させることで尿路の閉塞を取り除く手術です。
PVP手術のメリット
従来の手術では困難であった抗凝固薬を服用中の方にも手術が行える。
術後の痛みが少ない。
術後の男性機能への影響もほとんどない。
短期間の入院で治療が可能。